中国語の「声母(子音)」は、発音の仕方によって、6種類に分類され、全部21個の発音があります。そして、発音自体には、「不送气音(無気音)」と「送气音(有気音)」の2種類があります。

 *「不送气音(無気音)」とは、破裂音のうち、音を出した時に強い気息を伴わないものです。
 *「送气音(有気音)」とは、破裂音のうち、音を出した時に強い気息を伴うものです。

唇音:唇に力をいれて、閉じた唇を一気にはなして、発音します。発音の最後に単母音の「o」を付けます。

番号表記                発音の仕方
1b日本語の(ぼ)の音を意識し、気息を弱く出しながら、最後「o」の音まで発音してください。≪「不送气音(無気音)」≫
2p日本語の(ぽ)の音を意識し、気息を強く出しながら、最後「o」の音まで発音してください。≪「送气音(有気音)」≫
3m日本語の(む)の音を意識し、気息を弱く出しながら、最後「o」の音まで発音してください。≪「不送气音(無気音)」≫
4f日本語の(ふ)の音を意識し、気息を強く出しながら、最後「o」の音まで発音してください。≪「送气音(有気音)」≫

舌尖音:日本語の(さ)行の音のように、舌尖と歯、歯茎などで、口を狭めて発する音のことです。発音の最後に単母音の「e」を付けます。発音は日本語の(え)ではないことに注意してください。

番号表記               発音の仕方
5d日本語の(だ)の音を意識し、(だ)から始まり、気息を弱く出しながら、最後に中国語の単母音の「e」発音を強調して終了します。≪「不送气音(無気音)」≫
6t日本語の(た)の音を意識し、(た)から始まり、気息を強く出しながら、最後に中国語の単母音の「e」発音を強調して終了します。≪「送气音(有気音)」≫
7n日本語の(な)の音を意識し、(な)から始まり最後に中国語の単母音の「e」発音を強調して終了します。
8l日本語の(ら)の音を意識し、(ら)から始まり最後に中国語の単母音の「e」発音を強調して終了します。

舌根音:喉の奥、舌の付け根の方から出す音のことです。発音の最後に単母音の「e」を付けます。発音は日本語の(え)ではないことに注意してください。

番号表記               発音の仕方
9g日本語の(が)の音に意識し、(が)から始まり、気息を弱く出しながら、最後に中国語の単母音の「e」発音を強調して終了します。≪「不送气音(無気音)」≫
10k日本語の(か)の音を意識し、(か)から始まり、気息を強く出しながら、最後に中国語の単母音の「e」発音を強調して終了します。≪「送气音(有気音)」≫
11h日本語の(は)の音を意識し、(は)から始まり最後に中国語の単母音の「e」発音を強調して終了します。

舌面音:舌の先端を下の歯の裏につけて、発音する時に、気息が舌の表面を通過させるように作られた音のことです。発音の最後に中国語の単母音の「i」をつけて発音します。

番号表記                発音の仕方
12j日本語の(じ)の音に意識し、舌の先端を下の歯の裏にあて、気息を弱く出しながら、最後に中国語の単母音の「i」発音を強調して終了します。≪「不送气音(無気音)」≫
13q日本語の(ち)の音に意識し、舌の先端を下の歯の裏にあて、気息を強く出しながら、最後に中国語の単母音の「i」発音を強調して終了します。≪「送气音(有気音)」≫
14x日本語の(し)の音に意識し、舌の先端を下の歯につけながら、息を吐きだします。最後に中国語の単母音の「i」発音を強調して終了します。

そり舌音:舌を上に巻き上げながら発音します。

*以下の4つのそり舌音は、基本的に同じような口の形で発音します。どれも日本語にはない音のため、必ずモデル音声を聞いてください。

番号表記                発音の仕方
15zh唇を丸めて、お猪口のように前に出して、上の歯と下の歯の間に少し隙間を開けて、舌の先は上顎に触らない程度で巻き上げて、気息を弱く出しながら、発音してください。≪「不送气音(無気音)」≫
*この発音は日本語の中にない音のため、モデル音声と発音の仕方に従って、練習してください。
16ch唇を丸めて、お猪口のように前に出して、上の歯と下の歯の間に少し隙間を開けて、舌の先は上顎に触らない程度で巻き上げて、気息を弱く出しながら、発音してください。≪「送气音(有気音)」≫
*この発音は日本語の中にない音のため、モデル音声と発音の仕方に従って、練習してください。
17sh唇を丸めて、お猪口のように前に出して、上の歯と下の歯の間に少し隙間を開けて、舌の先は上顎に触らない程度で巻き上げて、気息を弱く出しながら、発音してください。≪「不送气音(無気音)」≫
*この発音は日本語の中にない音のため、モデル音声と発音の仕方に従って、練習してください。
18r唇を丸めて、お猪口のように前に出して、上の歯と下の歯の間に少し隙間を開けて、舌の先は上顎に触らない程度で巻き上げて、気息を弱く出しながら、発音してください。≪「不送气音(無気音)」≫
*この発音は日本語の中にない音のため、モデル音声と発音の仕方に従って、練習してください。

舌歯音:口を左右に開き、上の歯と下の歯の間に少し隙間を開けて、舌の先端は下の歯の裏側に軽くあて、舌の表面に空気の通り道を作り、摩擦音を作ります。      

*舌歯音の説明について、他の教材や資料では、舌の先端は上の歯の裏側に当てるというような記述がありますが、そのようにして、うまく発音ができればそれでもいいです。しかし、空気の通り道を完全に塞ぐと、正しい音になりません。ぜひ、ここで説明した方法で試しにやってみてください。

番号表記               発音の仕方
19z日本語の(づ)の音に意識し、口を左右に開き、上の歯と下の歯の間に少し隙間を開けて、舌の先端は下の歯の裏側に軽くあて、上顎と舌の表面の間に空気の通り道を作り、息を弱く出しながら摩擦音を作ります。≪「不送气音(無気音)」≫
20c日本語の(つ)の音に意識し、口を左右に開き、上の歯と下の歯の間に少し隙間を開けて、舌の先端は下の歯の裏側に軽くあて、上顎と舌の表面の間に空気の通り道を作り、息を強く出しながら摩擦音を作ります。≪「送气音(有気音)」≫
21s日本語の(す)の音に意識し、口を左右に開き、上の歯と下の歯の間に少し隙間を開けて、舌の先端は下の歯の裏側に軽くあて、上顎と舌の表面の間に空気の通り道を作り、息を出しながら摩擦音を作ります。